検診命令書 って何?

制度の話

こんにちは。精神科病院で働く新米SWの やつはし です。

ある日、上長から「患者Aさんの検診命令書を依頼してくれるかな」と頼まれました。

やつはし
やつはし

なんじゃそら?何のための書類で、どこに頼むの?

検診命令書 とは

医療機関では診断書などを作ってもらうのに「文書料」というのが発生します。これがまあけっこう高くて、診断書一部5,000円とかするんですよね。診断書の用途別でも料金違ったりもします。

で、精神科に入院中の患者さんで「文書料」が発生するのはどんなときかというと、
・精神障害者手帳申請or更新のための「診断書」発行時
・自立支援医療申請のための「診断書」発行時(退院のタイミングで渡す)
・障害福祉サービス利用のため障害支援区分の認定を受ける際の「医師意見書」発行時
などです。

患者さん
患者さん

でも私、生活保護だし文書料払うお金ないんだけども・・・

生活保護の患者さんの場合、文書料を免除してもらえる手段があります。
それが「検診命令書」をもらうこと!なのです。

検診命令書をもらう方法

これは至ってシンプルです。
福祉事務所(生活福祉課など)の担当ケースワーカーさんに検診命令書を依頼します。
生活保護をもらってる人は当然担当ケースワーカーさんがいるので、患者さんの名前とか生年月日とかを伝えると「あ~、あの人か」というかんじになると思います。
で、検診命令書が必要な理由を説明し、依頼をすればOK。

自分が上長に頼まれたときは、なにがなんだかよくわからないまま依頼をしたので

やつはし
やつはし

検診命令書の郵送先とか、細かいこと言わなくて大丈夫かな?

とか思ってたんですが、担当ケースワーカーさんには患者さんが入院していることを知っている(入院時に知らせないといけない)ので、現在どこにいるかは了承済みなわけです。いらん心配でした。

全額免除にはならない?

生活保護費で支給可能な文書作成料は種類ごとに上限があるようです。
たとえば障害者手帳・障害年金の申請用の診断書なら、支給上限は6,090円。

障害者手帳更新をする場合、医療機関の診断書料金が仮に6,500円だった場合、支給額6,090円との差額410円は本人負担となります。
診断書の料金は医療機関によって違うので、本人が負担することになる料金がいくらになるのかは医療SWとして説明できるようにしておきたいですね。

大事なポイントと手順

検診命令書をもらって文書料を支給してもらいたい場合に大事なのは、「先に言う」ことです。
つまり、診断書を発行する前!に福祉事務所の担当ケースワーカーさんへ連絡する必要があります。

やつはし
やつはし

「やっべ~、検診命令書を頼むの忘れてた!ま、あとから連絡でもいっか~」

ってのは通用しないってことだね!

おおまかな手順は・・・
①まずケースワーカーさんに検診命令書ください!と連絡
②病院内で診断書発行を依頼(ここは医療機関ごとにやり方も違うはず)
③検診命令書(一緒に請求書も入っている)が福祉事務所から届く
④医事課などの事務処理担当部署が記入・処理を行って担当部署へ返送
⑤福祉事務所から医療機関へ支払い

ってかんじになると思います。
ちなみに、病院の振込先口座は福祉事務所はわかってるようなのでいちいち毎回の書類で記載したりはしてないらしいです。そりゃそうか。

まとめ

①生活保護の人で
②医療扶助の適用となる医療行為に基づいて発行された文書である
ならば、福祉事務所が文書料を一定額まで免除、つまり福祉事務所が医療機関に支払いをしてくれます。
そのために必要になるのが「検診命令書」というわけでした。

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